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パラリンピックのパラカヌーは、1人乗りの競技艇をこぎ、200メートルの直線コースで着順を争う水上のスプリント競技です。リオデジャネイロ2016大会からカヤックが正式種目となり、東京2020大会では新たにヴァーという種目が加わります。
後ろ向きにオールをこぐボートと違い、カヌーは前を向いて、水かき(ブレード)がついたパドルでこぎます。カヤックは長さ約5メートル、幅約50センチメートルの細長い紡錘(ぼうすい)形の艇に乗り、両端にブレードがついたパドルを使います。ヴァーは本体の片側に浮力体がついた長さ約7メートルの艇に乗り、片方だけにブレードのついたパドルを使います。
体幹、腰、下半身に障害のある選手が対象で、障害の重さによってL1、L2、L3のクラスに分かれます。レースはクラス別に行われ、種目の頭文字であるK(カヤック)、V(ヴァー)がついて、KL1、VL2といった表記になります。数字が小さいほど障害が重く、クラスによって座るシートの形も違います。例えば下肢のみの障害のL3は浅いシートですが、体幹を使えないL1の選手は背もたれのあるシートに体を固定します。それだけシートは重要で、選手は障害や体形に合わせてシートを自作します。「こうした工夫で、選手は健常者と同様のパフォーマンスが発揮できます。カヌーに乗れば、水の上は究極のバリアフリーなのです」と一般社団法人 日本障害者カヌー協会会長の吉田義朗(よしだよしろう)さんは魅力を語ります。
スピード感もパラカヌーの大きな魅力です。「パラカヌーは『水上のF1』といわれるほどで、1回の勝負は早いもので40秒ほどで決まります」と、同協会事務局長の上岡央子(うえおかひさこ)さんは言います。
イギリスをはじめ強豪国がひしめく中で、日本選手としては、リオデジャネイロ2016大会で8位入賞した瀬立(せりゅう)モニカ選手(KL1)の東京2020大会出場が内定し、他に若い選手も育っています。
水上のスプリント競技、パラカヌーの迫力を、ぜひみんなで体感し楽しみましょう。
X-1撮影 KL1髙木裕太選手
カヤックをこぐ髙木選手
X-1撮影 VL2加藤隆典選手
ヴァーでは本体の片側に浮力体がつきます
写真提供:一般社団法人 日本障害者カヌー協会
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