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更新日:2021年11月11日

パラスポーツのなんだろな(36)

車いすカーリング

車いすカーリングはヨーロッパ発祥で、日本では2004年ごろからプレーされています。2006年のトリノ大会からパラリンピックの正式競技となりました。対象は下肢障害のある肢体不自由の人で、必ず男女混合のチームでプレーする必要があります。

試合は、全長約45メートル、幅約5メートルのプレーエリア内で、約30メートル先の的(ハウス)に向けて、回転をかけながらストーンと呼ばれるハンドル付きの石を押し出します(リリース)。助走はなく、静止した車いすから手またはデリバリースティック(棒状の競技用具)を使ってリリースします。氷上をブラシで掃くスウィープは行いません。ハウスの中心に、より近くストーンを寄せたチームがその回(エンド)の勝者で、ハウス内のストーンのうち、相手チームのストーンよりも内側にある勝者のストーンの数が得点になります。これを8エンド繰り返して、総得点で勝敗が決まります。

スウィープをしないため、ストーンの軌道はリリースの瞬間に決まります。このとき重要なのは「アイスの状態を読むことです」と、一般社団法人 日本車いすカーリング協会事務局長の金子 恵美(かねこ えみ)さんは語ります。ゲーム前の整氷でミストのような水をまき、氷上はペブルと呼ばれる細かい氷の粒で覆われます。試合が進むとペブルが砕けたり、会場の熱気や湿度で霜が降りたりと、アイスの状態は刻々と変化します。「5分後、10分後でもアイスの上を滑るストーンの進み方は変わります。その変化をどう読んで、どう投げるか、というゲームなのです」。まさに頭脳戦。『氷上のチェス』と呼ばれる緻密な作戦の応酬が見どころです。

長らくパラリンピックでは1チーム男女混合の4人でプレーする1種目だけでしたが、ミラノ・コルティナ2026大会からは1チーム男女1人ずつのミックスダブルスが加わり、全2種目となる予定です。1チーム2人構成の早い展開でますます白熱する頭脳戦が、今から楽しみです。

リリースの様子
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競技の様子
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