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更新日:2021年11月11日

東京2020パラリンピック競技大会に向かって(32)

バイアスロン

バイアスロンは雪上のクロスカントリースキーコースと射場を使い、滑走と射撃を繰り返す競技です。対象障害は、肢体不自由と視覚障害です。

コースは、1周2キロメートルから3キロメートル。種目には、コース3周に射撃2回の「スプリント」、5周と射撃4回の「ミドル」、同じく5周と射撃4回でペナルティーが異なる「インディビジュアル」があります。ペナルティーとは射撃を外したときに科せられるもので、スプリントとミドルは1発外すごとにペナルティーループの周走、インディビジュアルは1発外すと1分のタイム加算、という違いがあります。ペナルティーループを走るというルールは最近のもので、その背景には「タイム加算の場合、速い選手は数分加算されても勝てるので、適当に撃ってすぐに走り出す選手がいたため」と特定非営利活動法人 日本障害者スキー連盟理事の渡辺孝次さんは言います。今では的に照準を合わせないで射撃すると失格というルールもあります。

使用するライフルは、肢体不自由の選手はエアライフル、視覚障害選手はビームライフルです。視覚障害選手は音で的を知らせる電子音響照準装置を使います。銃口が的に向くと周波数が変化し、完全に的に向くと一番高い音になる、その瞬間に撃つのです。長野、トリノ両大会の金メダリスト小林(現・井口)深雪(みゆき)選手は、この「耳で狙って撃つ」技術がとても優れた選手だったと当時のコーチだった渡辺さんは回想します。

バイアスロンの見どころは「静と動」の対比だと渡辺さん。コースを全力で走り、射場では瞬時に息を整え集中力を高めて的を狙う。撃った後は再びコースに戻り一気に加速する。この切り替えこそが見どころであり、勝敗の決め手なのです。体と心をコントロールする強い力が求められるバイアスロン。経験を積んだ中堅以上の選手が向いているといわれるのもうなずけます。

クロスカントリースキーと共通のクラス分けやルールについては、次回紹介します。

滑走の様子
滑走の様子

射撃の様子
射撃の様子

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