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鉄道唱歌(作詞:大和田建樹、作曲:多梅稚)に「汽笛一声(いっせい)新橋をはや我(わ)が汽車は離れたり」と歌われる新橋駅は、明治5(1872)年、横浜との間に開通した日本初の鉄道の起点です。
鉄道開通100年にあたる昭和47(1972)年、その西口広場に設置されたのがSL(蒸気機関車)C11-292号です。このSLは、第二次世界大戦の敗色が色濃い昭和20(1945)年に製造され、姫路機関区で運行、昭和47(1972)年に廃車となり、現在の場所に設置されました。「第一京浜を経由してトレーラーで運ばれてきましたが、新橋のガード下をくぐれず、何かを外してやっと通していましたね」と、搬入の様子を見ていた長尾武次・ニュー新橋ビル管理組合理事長は語ります。「うちの店のカレーが150円、カツカレーが180円の時代でした」と中村八副理事長も懐かしみます。「今は西口広場よりSL広場という名の方が定着している。本当に素晴らしいものを持ってきてくれましたよ」と長尾理事長。
SL広場は平成18(2006)年春に改装され、広場中央にあった「平和をモチーフとする母子のブロンズ像」(作:瀬戸団治)をSL横に移動しました。C11-292号は蒸気りゅう溜・砂溜が角張っている、いわゆる戦時型ですが、今は「サラリーマンへの街頭インタビューがよく行われる広場の顔」となり穏やかな余生を送っています。
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