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江戸時代、芝浦はその大部分(JR線路の東側)が海でした。芝浦で取れた小魚やエビを「芝魚」「芝エビ」と呼ぶほど高名な漁場でした。明治末期から埋め立てが進んでいくと、鮮魚を売りにした料亭街も形成されています。特に芝浦一丁目付近は都内有数の花街となり、旧協働会館は「置屋」「料亭」「待合」を取りまとめて芸者の取り次ぎ等をする施設「見番」として昭和11(1936)年に建設されました。
2階は西洋の技術を導入し、柱が1本もない大広間となっています。ここは桧板敷舞台を合わせると、約100畳もの広さになることから、通称「百畳敷」と呼ばれています。戦後は東京都港湾局管理の下、協働会館と名を変え、大広間は集会所として貸し出しされるようになりました。
「毎年敬老の日には、この大広間で文化祭を行っていました。町会の皆で作ったおでんや仕出し弁当を食べながら落語や紙切りを見て、皆さん楽しんでいました。舞台もあって、当時は他にそのような施設はなかったので、よその町会さんもここを利用していましたね」と芝浦一丁目町会の中島恭男会長。「風情のある空間で、日舞がよく映えました。催事が終わって帰る際には、みんなで掃除もしていました。愛着がありますよ」
旧協働会館は老朽化のため平成12(2000)年に閉鎖、平成21(2009)年に都から区へ譲渡され、区の有形文化財に指定されました。平成32(2020)年には区民が利用できる施設として開設できるよう、準備を進めています。「古くからの住民と新しく転入してきた人が出会える場所として、互いの顔が見える、安全・安心なまちづくりの拠点になれば」と中島会長はおっしゃいました。
昭和57(1982)年
平成29(2017)年
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芝浦一丁目町会会長
中島 恭男さん
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